ブレーキローター研摩 他
 

ブレーキローターとディスクパッドはいわば電気カミソリの刃みたいな関係で、 非常に密接な関係にあります。
例えば、ブレーキ鳴きする、ブレーキを踏むと足にくる(キックバック)またブレーキの効きが悪いとかの場合は ディスクパッドとブレーキローターの2つセットで考え、トラブル解決にあたった方がベストだと思います。

ブレーキローター研摩をする時、どのくらいまで削れるの?っと質問されることが多々ありますが、 それはほとんどの車のローターの裏側に刻印されています。
例えば、MIN.TH. 18.4mmとか記述されており、これは新品の状態では20mmの厚みのあったローターを18.4mm以内なら ブレーキ性能を損なわずに研摩できますよって言うことです。
ローターを研磨できる厚みは各メーカーにより表示が異なりますが、1mm〜2mmまで削れるローターがほとんどです。

フロントブレーキパッドの交換及びローターの交換ならご自分で出来る人も結構います。 しかしご自身でなされる整備は自由ですが、ミスもすべてご自身の責任となりますので慎重な整備を!。

 
ブレーキローターと鋳鉄(ジャダーは何故起きるの?)
パッドとローターの容量
フェード現象とは

 

 

 

 

 

ブレーキローターと鋳物(鋳鉄) 何故ジャダーは起こるの?
車のディスクブレーキローターはほとんどが鋳鉄(鋳物)です。

ブレーキローターを製造するには型に鋳物を流し込むのですが、真っ赤に溶けた鉄は時間が経てばやがて固まります。この固まる時、溶けた鉄を流し込む場所により固まる時間が少しですが違う様です。また、固まった鉄の密度も若干ですが、違うみたいです
(100%正確ではありませんが・・)。

突然話しは変わりますが、例として砲丸投げの鉄球にも同じ事が言えるみたいです。
 以前NHKテレビで放送されたのでご存知の方もおられるかと・・ 。 シドニーオリンピックの砲丸投げのゴールドメダリストは日本製の砲丸玉を使用したとの事で、 コレを製造した職人さんは鋳物に関してはプロ中のプロで、芯(センター)をだす技術が 誰もマネできないみたいです。

 やはり溶けた鉄が固まっていく時間の差が、密度の濃い鋳物と密度のあまり濃くない鋳物を 創り出すみたいで、密度の薄い鉄(最悪なのが、いわゆる「す」が出来ていまう!)は当然 若干ですが軽いわけです。それをその職人さんは手にとって重さ等を感じとるのでしょうね。

 話しは本題のブレーキローターに戻りますが、ローターも上記の通り密度の濃い部分と そうでない部分が出来てしまうようです。 その結果どのようなことが起こり得るかと申しますと、新品又は研摩したブレーキローターと ディスクパッド(新品)を装着し急ブレーキ、高速でのブレーキングの刳り返し、 ブレーキをロックさせる等を行うと、ブレーキローターは早く減ります(痩せる)。
前記の様、特に密度の濃くない部分が早く減ります(特にメタリック系のディスクパッド装着車は顕著)。
 その結果、減った場所とあまり減っていない場所のブレーキローターが出来上がってしまいます。
つまりブレーキパッドとブレーキローターがあたる所とあまり当たらないところが出来ていまい、 やがてブレーキを踏むとジャダー(足にキックバックする)が発生する様になります。

では、コレ(ジャダー)を防ぐにはどうしたら良いかと・・?
簡単です?。 新品のローター又は、ローター研摩した時は必ず「慣らし運転」をして ブレーキローター&ディスクパッドに軽く”焼き入れ”をする事です。
そうすれば多少無理なブレーキングをしても、ディスクパッドもブレーキローターも長持ちし、 耐フェード性もUPします。簡単ですよね。

<焼き入れの注意>
焼き入れは「慣らし運転」をすれば自然に軽い焼き入れができます。いきなり高速からのブレーキングの繰り返しは厳禁です

「慣らし運転」とは:
通常(普通)の走り方をすれば良い訳ですが、各自運転のし方に個人差があるので、次の してはいけない事 を確認してください。
距離は500Km〜2000kmくらいが目安です。

@高速からのブレ-キングの刳り返し。

A長い下り坂を走行する時は、コーナーの入口でシフトダウンする様心がける。

(特にオートマ車はギアーを「D」に入りぱっなしにしない)

しかしある程度はシッカリとブレーキを踏んでください。
最初のうちは長い下り坂等を走行する時は十分注意してください。
新品パッドと同時装着の場合はフェード気味になったら速やかにクールダウンをしましょう。

*運転のし方により100%ジャダーが起こらないとは言いきれませんが・・・ある程度は防げます。

★また、ジャダーは次の原因の場合も多いです。
走行中、ブレーキローターとディスクパッドが熱くなっている時に水溜りに飛び込んで急激にローターを冷やし、変形させてしまう。等など・・・。
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ブレーキパッドとブレーキローターの容量
車で一番大切(重要)なものはやはりブレーキではないでしょうか?

その中でもディスクパッド、ブレーキローター、キャリパー、この3つは特に重要です。
この他ブレーキマスター、マスターバックとかブレーキオイル 例えばDOT4のよう沸点の高いものとかもとても重要ですが、ここではディスクパッドの容量(面積)とブレーキローターの容量(直径の大きさ)について書いてみました。

皆様 ご存知かと思いますが、例えば今 街中で走行しているランサーの前ディスクパッド何種類あるか知っていますか?
4、5種類ありますが、その中でも4輪ディスクブレーキもあれば、リアーはドラムブレーキ(シューAssy)もあります。

 何故そんなに種類があるのでしょうか?
ランサーは排気量1300cc〜2000ccまでのエンジンを積んだ車が発売されており、メーカーはそれぞれ排気量やパワーまた、重量、サスペンション等により、一番適合すると思われるものを装着しています。
でも、そればかりでないようですね。
これは私個人の意見ですが、やはり自動車生産メーカーからするとコストパフォマンスも 重要なファクターを占めるようで、特に、価格の安い車とかバン、トラックはその傾向が強く、 今でも乗用車ではとっくに装着されていない昔のキャリパーやディスクパッドやシューAssyが 新車時に付いてる場合もあります。
 またバン・トラック・軽自動車や価格の安い車はそれなりのパッド(摩擦材)が 新車時に装着されている場合もあります。
一般的にスポーツタイプの車には最初から容量の大きなブレーキローターやキャリパー、 ディスクパッドが組み込まれています(その他ブレーキ関係以外でもいろいろ高品質の部品が・・)。
 パッドの能力は材質(摩擦材)の他 キャリパーの性能(能力)により異なります。
普通の乗用車はキャリパーのメーカーや種類が違うにせよ、パッドを油圧で押すピストンは1ケですが、 上記のスポーツタイプのものは2ピストンや4ピストン(4ポット)のものがほとんどで、 その中でも有名なのがブレンボ(brembo)製ですね。  キャリパー、ディスクパッド、ブレーキローターの3つ1セットで国産車(インプレッサ、ランサー等)に 装着されているのをご存知の方も大勢いらしゃるでしょう。

また、キャリパー等の違いによりブレーキローターの直径の大きさ(容量)も異なります。  ランサーを例にあげてみれば、1300ccのローターは235mm(ソリッドタイプ)、 1500ccは235mm(ベンチレィテッド)、1600ccのグレードの高いものや スポーツタイプは254mm(ベンチレィテッド)、2000ccの一部は276mm、エボリューションは 320mm、と各車種ごとに装着されております。 当然、ディスクパッドやキャリパーも違います。

また、ディスクパッドが同じだとブレ−キローターも同じサイズだと思いますか?
ほとんどが同じですが、グレードが上の車、例えばABS付き、ターボ付き、4輪ディスクブレーキ車等はローターがサイズUPされている場合が多々有ります。

ですので皆様も車を購入する時には 上記の事も頭に置きながら、車選びをするともっと楽しくなるなると思います。
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 フェード現象とは?
 フェード(fade)とは英語の意味としては「好ましい状態か後退する」という事で、 次第に薄れる、衰える、消える などの意味ですね。
映像や録音などで使う fade out という事をご存知の方がほとんどでしょう。

自動車のブレーキで使う意味も上記と同じで、 ブレーキが効く状態から段々効かなくなるこ事を言います。

このような状態(フェード)をづーっと続けますと、全くブレーキは効かなくなってしまいます。 上記の様な経験をされて怖い思いをした方もおられるでしょう。

では 何故フェード現象は起こるのでしょうか?
それは、過酷なブレーキイングによるもので、ブレーキを酷使し過ぎて ブレーキローターが熱くなり、またディスクパッド(摩擦材)も加熱されガスが発生し、 そのガスがブレーキローターとディスクパッドの間に挟まるからです。
つまりローターとパッドがチャント擦い合う事が出来無くなってしまうからです。
新品のブレーキパッド装着後は ガスが発生しやすいです。
特に摩擦係数の高く、低中速の効き良いパッドは この傾向(ガス発生)が強いです。

もしこのような状態(フェード)になったら 早めにクールダウンを心掛けましょう。
クールダウンとは字の意味の如く、 スピードを緩め減速しブレーキをかけないようにし走行(流す)し、ブレーキパッド・ローターを冷やす事です。
そのためには、ギアーをより低いギアー(トップ〜セカンド〜ロー)にシフトダウンするようにしましょう。
(オートマ車はドライブ「D」に入れっぱなしにしない事!)
冷やすといっても、車を止めて水をかけるのは厳禁です!

この様にフェード気味になり、その後クールダウンを数回繰り返しますと パッドに”軽い焼き”がされ ガス発生をかなり抑えられます。
その後 耐フェード性は確実にUPし、パッドの寿命も延びます。

フェードとベーパーロックとの違いは・・・。
ベーパーロックとは過酷なブレーキングによりブレーキホースやブレーキパイプ内のブレーキオイルに空気(気泡)が発生し、 ブレーキパッドを押すブレーキキャリパーに正常な圧力(油圧)が加わらず  ブレーキが効かなくなる事を言います。
が、最近の車(ブレーキオイル/DOT3やDOT4)での通常の走行ではベーパーロックなどは まず起きません。

コレは昔のブレーキオイルの性能が良くない時代の事と思っても過言ではありません。
(但し、競技で走行する場合はこの限りでは有りません。)
もし、ご自分の車のブレーキが効かなくなったら、 それは ベーパーロックではなく フェード現象 だと思って下さい。
そして速やかに、クールダウンをしましょう。

*過酷なブレーキングは控えましょう!!
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